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鳥羽和久・植本一子『それがやさしさじゃ困る』

¥1,980 税込

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※鳥羽さんとの共著が出ます。植本は写真で参加です。



子どもが自分でつかむまで!
大人が「わかったふり」をやめると、対話がはじまる。焦らず、 断ち切らず、観察しつづけるための視点──。学び・進路・日常相談と一年の日記から、関係がほどける瞬間を見つめる教育エッセイ。

『それがやさしさじゃ困る』は、子どもに向けられる「善意」や「配慮」が、時に子どもの心を傷つけ、主体性を奪ってしまうという逆説を、教育現場の最前線で20年以上子どもと向き合ってきた著者・鳥羽和久さんが鋭く描き出す一冊です。

「失敗させまい」「傷つけまい」という大人の"先回り"が、実は子どもの可能性を閉ざしてしまう──。本書では「学校」「親と子」「勉強」「受験」といったテーマを軸に、現代教育の盲点と私たち大人が抱える不安の影を浮かび上がらせます。単なる批判にとどまらず、大人の葛藤や弱さへの眼差しがこめられているからこそ、その言葉は深く胸に響きます。

さらに本書を特別なものにしているのは、ページ下部に並走する一年間の日記の存在です。そこには、卒業生との忘れられない一瞬や、親子の関わりの奥に潜む無自覚な"デリカシーのなさ"への気づきなど、教育の現場で生まれた生の思索が断片的に綴られています。論として伝えられるエッセイと、濾過されない日々の記録が呼応し合い、本書は単なる教育論を超えた、立体的で豊かな手触りを届けてくれます。

解決策を提示する本ではありません。むしろ「間違うこと」「揺れ動くこと」を恐れず、子どもを信じて共に歩むことの大切さを、本書は静かに指し示しています。大人として迷い続ける私たちに寄り添い、伴走してくれる一冊です。
そして本書には、写真家・植本一子さんが鳥羽さんの教室やその周辺で撮り下ろした写真が栞のように差し挟まれています。子どもたちの表情や存在は、エッセイや日記で綴られる思索に呼応し、本書を照らし、「いま、ここ」の空気を手渡してくれるでしょう。


鳥羽 和久(Kazuhisa Toba)
1976年 福岡県生まれ。2002年、大学院在学中に中学生40名を集めて学習塾を開き、以後、小中高生の学びに携わり続ける。現在、株式会社寺子屋ネット福岡代表取締役、唐人町寺子屋塾長、単位制高校「航空高校唐人町」校長、及びオルタナティブスクールTERA代表。著書に『親子の手帖増補版』(鳥影社)、『おやときどきこども』(ナナロク社)、『君は君の人生の主役になれ』(ちくまプリマー新書)、『「推し」の文化論│BTSから世界とつながる』(晶文社)、『光る夏旅をしても僕はそのまま』(晶文社)、編著に『「学び」がわからなくなったときに読む本』(あさま社)などがある。

植本 一子(Ichiko Uemotonto)
写真家。1984年 広島県生まれ。2003年にキヤノン写真新世紀で優秀賞を受賞。下北沢に自然光を使った写真館「天然スタジオ」を立ち上げる。主な著書に『かなわない』『愛は時間がかかる』、写真集に『うれしい生活』、小説家・滝口悠生との共著『さびしさについて』などがある。主な展覧会に「アカルイカテイ」(広島市現代美術館)、「つくりかけラボ07あの日のことおぼえてる?」(千葉市美術館)。

出版社 ‏ : ‎ 赤々舎 (2025/9/21)
発売日 ‏ : ‎ 2025/9/21
単行本 ‏ : ‎ 132ページ

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